ファッション業界に潜む影の立役者たちを追う。シリーズ第1弾! 宮沢香奈 | 2014.05.02 Fri 10年前、アシスタントだった自分が、今度は同じ仕事の現場のスタッフとして、 カール・ラガーフェルドと仕事をしたい。 昔、二日酔いで項垂れたまま乗った電車の中吊り広告に自分の名前を発見したことがあった。その時に属していたセレクトショップの特集で、おそらくコメントか何か残したのだと思うが、一気に酔いが冷めたのと同時にとてつもない違和感に襲われたのを覚えている。本来PRとは誰かが作ったものを裏から表に出すための橋渡しを担う仕事であって、華やかでも表舞台の主役でもない。だから、ショップ名も肩書きもなければ何者でもないわけで、中吊りに登場するのは場違いだと思ったのだ。ファッション業界で長年PRという仕事に携わってきて、時折違和感を覚えたり、アウェーに感じるのは、きっと私は大きなPOPが飾られたト