「彼女は失敗を肥やしにできる力があり、経験から交渉術に磨きをかけている」ミスター国連こと明石康がそう評するのが、かつての部下、中満泉だ。 国連の危機対応局長には、日本の若い女性たちからメールが届く。 「一度、お会いしたい」「お話をお伺いしたい」 局長室はニューヨークの国連本部ビルの真向かいにあり、その椅子に座るのが日本人女性、中満泉だ。「会う暇なんか、ないでしょ?」と聞くと、中満は「学生さんのグループにはできるだけ会おうと思っているんですけどね」と言う。 中満は2014年まで国連PKO局アジア中東部長として、アフガニスタンを含むアジア全域、シリアを含む中東全域を主管した。PKOの名の通り、平和維持を必要とする厄介な紛争地ばかりだ。 その後、国連事務次長補とUNDP(国連開発計画)総裁補を兼ねる形で、危機対応局長に就任。日本人としては、外務省出身の高須幸雄事務次長に次ぐ、第2位のポストに立つ
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