経済の専門家としてメディアで活躍する森永卓郎さん。実の父が亡くなった時、遺産相続で大変な苦労を経験したそうです(構成=村瀬素子) 【写真】終活中の畑仕事が楽しみ。軍手に帽子で笑顔の森永さん * * * * * * * ◆父の死後、貸金庫を開けて呆然 大正生まれの父は昔気質の男で、家のことはすべて母任せ。靴下さえ母にはかせてもらっていました。そんな父を遺して、2000年に母が74歳で急逝。生活能力がない父を放っておくわけにはいきませんでした。弟と相談した末、埼玉県所沢市のわが家で引き取ることに。ふり返るとこの同居が、その後に続く介護と相続地獄の始まりでした。 父が所有する都内のマンションはそのまま残していたので、父は私たちと同居後も時々そちらに帰って気ままに暮らしていたんです。しかし、06年に脳出血で倒れて左半身不随に。わが家での介護が始まり、私の妻がつきっきりで世話をしました。 私はといえ