循環器で必要なことはすべて心電図で学んだ 【第23回】 安定狭心症はどれだけ「安定」しているか?(後編) 香坂 俊(慶應義塾大学医学部循環器内科) (前回からつづく) 循環器疾患に切っても切れないのが心電図。でも,実際の波形は教科書とは違うものばかりで,何がなんだかわからない。 そこで本連載では,知っておきたい心電図の"ナマの知識"をお届けいたします。あなたも心電図を入り口に循環器疾患の世界に飛び込んでみませんか? 前回は安定狭心症に対する治療法,主にカテーテルを用いる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と,冠動脈バイパス術(CABG)の変遷を扱いました。血管の狭くなったところを広げるPCI,迂回して新たな血液供給路を確保するCABG,この二つの優れた治療法を得て安定狭心症の治療は確立されたかにみえます。しかし,この10年で進歩してきたのはこうした侵襲的な治療法ばかりではありません。運