福島第一原発事故によってふるさとを追われ、避難を強いられた人たち。その心の傷は、いまも深い。家や土地、生業やつながりの喪失という未曾有の事態に加え、避難先での慣れぬ暮らし、いわゆる「原発いじめ」などが、大きなストレスとしてのしかかっているからだ。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】 震災から7年。いま、何が求められているのか。原発避難者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクを調べた調査から、見えることがある。 グラフで示しているのは、2017年に福島県南相馬市と関東1都6県で避難生活を送る双葉町、富岡町、大熊町、いわき市の住民(回収数1083件)のうち、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性がある人の割合だ。 早稲田大学の辻内琢也教授(医療人類学)が、震災支援ネットワーク埼玉(SSN)などとともに、国際的なPTSDの評価尺度(IES-R)を使って震災翌年から調査している