掲載日:2018.01.15 森林でどのようにササが密生するか? 1995年に十和田湖畔で一斉開花・枯死したチシマザサ集団の更新過程 山形大学 秋田県立大学 東北大学 筍が山菜として有名なチシマザサは、雪深い日本海側のブナ林などに多く生え、しばしば高さ 3 m 以上にもなって密生します(図1)。ササ類は多くの場合、100年以上とも言われる長い一生のうち一度だけ、広い範囲で同調して開花し、結実後に枯死する特異な性質を示します。また、地下茎を伸ばして広がり、数十メートルにも及ぶクローンを形成します(図2)。ササが密生すると樹木の実生や稚樹の生育を妨げることから、林業の現場においてはササの管理が必要となっています。 秋田県立大学生物資源学部の蒔田明史教授、山形大学学術研究院の富松 裕准教授を中心とする研究チームは、1995年に十和田湖畔のブナ林で開花・枯死したチシマザサ集団の更新過程を分析し、チ