マダガスカル島の南西部を訪れると、「グランドマザー」と呼ばれる古木に出合える。最も古い幹は1600年前のものと考えられており、3本の幹が融合したその姿は、まるで巨大な壺のようだ。 グランドマザーはバオバブの木だ。バオバブが世界中の人々から愛される理由は、樹齢の長さだけでなく、その特徴的な樹冠にある。バオバブの木のてっぺんからは、まるで感電した髪の毛のように、あるいは場所を間違えて生えた根っこのように、モジャモジャとした枝が伸びている。神々が逆さまに植えた木との伝説があるのはそのためだ。(参考記事:「世界の老樹、圧倒的な存在感 写真10点」) 「バオバブの幹に近づくと、何か力強いものを感じます」と語るのは、この記事の写真を撮影したウィリアム・ダニエルズ氏。「それは良きものを感じさせるエネルギーなのです」 倒れたバオバブの大木を調べる研究者のウィルフレッド・ラマハファリー氏。この巨木が倒れた理