従来型の境界型防御を脱し、セキュリティーを強化するにはどうすればいいか。理想像は既に示されている。「ゼロトラスト」に基づく対策だ。ただし日本企業にとって道のりは長い。まずは足元の対策を固めよう。 本特集の第3回で取り上げたような基本的なセキュリティー対策を徹底すれば、VPNの脆弱性を総当たり式で狙うようなサイバー攻撃はある程度防げるだろう。 しかし大企業や著名な組織を狙った標的型攻撃となると、話は別だ。三菱電機や富士フイルムホールディングス(HD)は基本的なセキュリティー対策を講じていたが、境界型防御のわずかな弱点を攻撃者に突かれて社内ネットワークに侵入され、防御が弱かった境界内のサーバーを狙われた。 標的型攻撃にはゼロトラスト 高度化する一方である標的型攻撃にはどう備えるべきか。三菱電機と富士フイルムHDがサイバー攻撃の被害に遭った後に実施したセキュリティー対策の強化が参考になる。境界型