2016年7月26日未明に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた大量殺傷事件。入所者19人を殺害、26人に重軽傷を負わせた植松聖(事件当時26)は、同施設に3年以上勤務した元職員だった。植松は犯行動機について「意思疎通のとれない障害者は安楽死させるべきだ」「重度・重複障害者を養うには莫大なお金と時間が奪われる」などの自説を展開し、世間に衝撃を与えた。 著書「こんな夜更けにバナナかよ」など、「障害者との共生」をテーマに取材をつづけるノンフィクションライターの渡辺一史氏は、横浜拘置所に拘留されていた植松と14回にわたって面会。渡辺氏が「週刊文春」2020年1月23日号に寄稿した記事を再公開する(日付、年齢、肩書き等は掲載時のまま)。 (全4回中の1回目。#2,3,4を読む) ◆◆◆ 「休廷します!」「速やかに退室してください!」 1月8日、横浜地裁で2016年に起こった「相模原障