1990年代半ば以降、竹中平蔵氏は複数のシンクタンクに関わるようになった。そこを足がかりに政界に接近していく一方、「ビジネスとしての経済学」によって多額の報酬を得るようにもなる。当時公開されていた「高額納税者番付」の常連になったほどだ。彼の旺盛な蓄財意欲は、巧妙な「節税工作」を編み出すまでに昂じていた。 当時の事情を、ジャーナリストの佐々木実氏による竹中氏の評伝『竹中平蔵 市場と権力』より紹介する。 高額納税者の仲間入り シンクタンクという装置は、政治に近づくための手段であると同時に、大きな報酬を得るための大切な収入源でもあった。経済学という知的資産を政治に売り込み、換金する装置である。 本業は慶應義塾大学総合政策学部教授だったけれども、竹中は副業を本格的に始めるために〈ヘイズリサーチセンター〉という有限会社を設立した。法人登記の「会社設立の目的」欄には次のように記されている。 「国、地方
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