社長と副社長とでは、責任の重さは月とスッポン トヨタ自動車は、今年4月1日付で3人の副社長を誕生させた。2020年に廃止した副社長職の2年ぶりの復活だ。 「ご愁傷さま」――。 トヨタ社長の豊田章男氏は、執行役員10人を集め、その中から副社長を指名した際、3人にそう言った。 「この3人がヒト、モノ、カネを扱う副社長になる」 そう話しつつ、指名され緊張する当人たちをリラックスさせる声かけをするあたりは章男氏らしい。いかにも彼らしいハッパの掛け方とも受け取れる。 副社長に指名された三氏のうち、ヒトは桑田正規、モノは前田昌彦、カネは近健太が担当する。桑田氏52歳、近、前田両氏53歳である。一気に若返った。ちなみに、章男氏の社長就任は53歳だった。 章男氏は常々、人材育成について「それぞれの強みを生かして伸ばせ」と語っている。そして、「交代の時期がきたら、その時代はどんな人材を求めているか。それによ