ロシアへ経済制裁中の日本から、中古車(中古乗用車)は2022年上半期(1~6月期)に大きく輸出額を伸ばした。金額は経済制裁前の昨年上期から約1.5倍の610億円。ロシア向け輸出台数7万3949台は、2位のアラブ首長国連邦向け5万6971台を大きく引き離してトップだ(財務省貿易統計より)。ロシア国内では以前から日本車の人気は高かったが、ウクライナ侵攻後、そうした傾向はますます高まるばかり。その背景を探った。 政府は高級自動車などを輸出禁止に 2022年上半期の対ロシア輸出額は約2900億円。もっとも多いのは輸送用機器(大半は自動車)で約1554億円と輸出総額の54%を占めている。そのうち中古車が610億円という構図だ。政府は3月に600万円以上の高級自動車を、6月には貨物自動車やブルドーザーなどを輸出禁止対象にしたが、普通乗用車は規制対象外なのだ。 トヨタをはじめ国内自動車メーカーはロシアの
