子供のころ、図鑑を眺めていて、「虫を食べる植物がいる」ということに戦慄しました。 おとなしく物言わぬ草花が、実はひそかに牙を剥き、ハエやカを食べてしまうなんて。 しかも、まるで怪獣のような風貌で、口をぱっくり開けていたり、むき出しの胃袋のような形をして、そこに誘い込み、ゆっくりと溶かして食べてしまうとか……。 いや、でもきっとそれは、私のよく知らないジャングルとか、そんな遠いところに生息しているに違いない。 ところが。 私が住んでいる千葉県に「食虫植物群生地」がある、というではありませんか。 ちょっと怯えつつも、私は車を走らせて、そこに向かいました。 目印となる「成東駅」から案内に沿って細い路地を進みます。 すると、ぱっと視界が開け、広々とした湿地が見えてきました。「成東・東金食虫植物群生地」と看板が立っています。どうやらここのようです。 ここは、大正九年とかなり早い時期に、国の天然記念物
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