ViewStateオブジェクトによるデータ保存は、ポストバックにおいてセキュリティを要求されない簡易なデータを保存するのに適している。これに対して、画面遷移にまたがってデータを保存したい場合や、セキュリティを要求されるデータを保存したい場合には、Sessionオブジェクトを利用する。 Sessionオブジェクトを利用した場合、クライアントへは120ビット長のセッションIDがメモリ常駐型クッキーとして発行される。クライアントからのリクエストはこのセッションクッキーにより一意に識別され、サーバ内のセッション状態データと紐付けされることになる(図1)。 ViewStateオブジェクトと同様、Sessionオブジェクトへの格納・取り出しのコーディングそのものは非常に容易であるが、実際の利用時には考慮しなければならない点が多数ある。これらについて順番に解説する。 Sessionオブジェクトに格納可能