えっと、二郎くんがね、結核女子と愛を貫いたり、零戦を作ったり、 おおいに風立ちまくってる間にね、 私が何をできたかって、もう歳をね、ひたすらに重ねてきたわけです。 1コ1コ、着実に積み上げてきたわけです。 32歳。多少、顎が右曲がりに出てる以外は、いたって健康。 なのに、風の方ががねー、風の調子がねー。 もう下半身の方もね、帆を立てろー!イカリを上げろ―!とばかりに、出港の準備は万端なんですけど、なんせ風がねー。風のやつがねー。 32年、風待ち。 もうさー泣きながら人差し指を舐めまして、空に掲げてね、ずっと待ってるんですけど。 9月2日現在、立つ気配なし。無風。 一方、銀幕では、もう二郎くん、風立ちっぱなしなわけ。 あの風の谷ですら、そんなに立ってたかな、ってくらい立ってるわけ。棒立ち。 すごいね、二郎くん。と。 どうやってんの、それ?と。 したらまあ、二郎くんがね、どうやら美しいものが大