シングルモルトの世界には、ワインやブランデーに負けないほどの多様性がある。 それなのに、なぜウイスキーグラスの種類は少ないのだろう。 世界的メーカーのリーデル社を巻き込んだ検証をおこなった。 文:ニコラス・コルディコット 写真:ジュレン・エステバン=プレテル 協力:RSN JAPAN 株式会社、バル ア ヴァン タテルヨシノ ワイン愛好家は気の毒だ。ボトル1本ごとに大枚をはたくばかりか、専用の設備にもひと財産をつぎこまなければならない。ワインセラー、デキャンタ、人間工学に基づく先鋭的なコルクスクリュー。さらにはワインポアラー、フォイルカッター、ワインファンネル、ワインクーラーなどにも投資する。 品種別のグラスも悩みの種だ。赤ワイン用と白ワイン用があればいいという考えは古い。ブルゴーニュグラスにボルドーを注げばトゲトゲしく乱暴な味になり、ボルドーグラスでピノを飲めば酸味が果実味を掻き消してし
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