鳥山明といえば、『ドラゴンボール』と『ドラゴンクエスト』(のキャラクターデザイン)なのである、僕にとっては。夢と冒険、仲間との友情、ライバルとの対決、そこで味わうワクワクとドキドキ。男の子にとって大事なことは、大体ドラゴンボールが、ジャンプが教えてくれたのだ。 そんなわけで、世代がちょっとズレるというのもあるけど、僕は漫画『Dr.スランプ』を連載中に週刊少年ジャンプで読んだことも、単行本でも読んだこともなかった。まだアニメ『Dr.スランプ アラレちゃん』のほうがなじみ深い。「キーン」とか「んちゃ」とか言いながら、大きな眼鏡をかけた女の子(ロボット)がウンチを突っついたり、山をふっ飛ばしたりする。このギャグ漫画に対する印象はそんなものだった。 ところが、だ。 鳥山明はこっちが本職なのではないか、とさえ思った。 出し惜しみのないギャグ、しょうもない発明品、奇想天外なキャラクター、それでありなが