中国では春節(旧正月)前の帰省ラッシュが始まり、広東(カントン)省の駅近くでは、京劇のポスターの前を男性が通り過ぎた―。何気ない光景だが、随所にスパイの罠が潜んでいると覚悟した方がいい=6日(ロイター) 世界で最もスパイ活動に熱心な国といわれる中国が、古典的手口から高度の情報技術を用いた新種の手口まで駆使して、政官からビジネスマンへと対象範囲を広げてその活動を活発化させている。英情報局保安部(MI5)は最近、中国の非公然の情報担当者がパソコンから情報を盗み出す「スパイウエア」を忍ばせたデジタルカメラや電子情報機器を英国のビジネスマンに贈り、企業秘密を得ているなどとして、警戒を促す文書を作成。ロンドンの企業幹部らに配布した。日本企業でも、中国と縁が深い人物がかかわったとみられる機密漏洩(ろうえい)が頻発している。「甘い罠(わな)」には注意が必要だ。MI5警告 贈答品に情報収集機器搭載 英国の