ジャム婆が河原で摘んできた、アカシアの花。なんとも甘くやさしい香り。薔薇や百合を柔らかくしたような芳香。アカシアの花、正式な名はニセアカシア。ハリエンジュとも言います。この季節になると、いつもどこかの河原から、婆が摘んできてくれます。どこの河原で摘んでくるのか、いまだに私は知らない、教えてくれたことあったのかもしれないけど、忘れてしまったのかもしれない。婆が天ぷらに揚げてくれました。新玉ねぎと、新じゃがと、ウドの先の葉っぱのところも一緒に揚げました。衣をつけて油に入れる瞬間、つぼみがぱあっと開いて香りがたつのが楽しいと、アカシアの花揚げるたび、毎年、婆がそう言います。アカシアの天ぷら、あんまり味がしないけど、何もつけず心澄ますように口に入れると、遠くかすかに花の香りと蜜の味。うどんを茹でて食べました。花の余りは、ジャムにしました。どんな風に煮るか、少し迷いました。花ごと煮るか、花びらだけ煮