4月の終わり、雨の降る夜のお話。 我が家では毎日20時頃に 子どもをお風呂に入れて そのまま寝かしつけをしているのですが、 その日自宅の最寄り駅に 到着したのは21時前。 今日はもう寝ちゃったかな…… と思いながら、 自転車を走らせ 10分ほどで自宅の駐輪場に到着。 自転車を停めようとした時、 奥の方に大きな日本人形が 立っているのが見えます。 おや? 疲れのせいで 見えてはいけないものが 見えちゃったのかな? と思いながら目をこらしてみると、 それは日本人形ではなく、 先日髪を切って きれいなオカッパヘアーになった 我が子でした。 隣には困った顔をした 妻が座っています。 「おとうちゃんが帰ってくるまで ここにいるって言って動かへんねん……」 と妻が言うので、 「こっちにおいで」 としゃがんで手を広げます。 テテテッと私の所まで 駆け寄ってきたものの、 口は「への字」で 目を合わそうとし