本作品は、これまでの新シリーズの中では、「これこそ、刑事コロンボだ!」という 作品である。旧シリーズの上位作品群と比べても、遜色がない。 本作は、以下の点で、秀逸である。 ①いつもは、コロンボが、犯人の思考パターンを読んで、罠を仕掛けるのに対し、 今回は、コロンボが逆に犯人に罠を掛けられ、見事に騙されるという点 ②最後のコロンボの推理とシャープな幕切れの見事さ(シャープさでは、旧シリー ズの「二枚のドガの絵」を思い出させる) 他にも評価できるところは、 ①旧シリーズ「パイルD-3の壁」でも、コロンボは騙されるが、わざと騙された のに対し、今回は、コロンボも視聴者も、完全に騙される。 ②犯人ショーンが、余裕しゃくしゃくで、頭も良く、憎らしい。このくらいの犯人 の方が、このドラマはおもしろい。 ③流行雑誌と豪華なシャトー、そして、大実業家、ロス市警上層部、イギリス、 マスコミとスケールが大きい