意思決定を行う際,1つか2つの案を基に議論するより,もっと多くの案を比較検討するほうが「意思決定の品質」は高くなる。当たり前のことだが,これを実践できている企業は少ない。戦略案の作り方も俗人的なことが多く,システマチックに検討している組織は限られている。今回はこの「戦略案づくり」を取り上げ,クリエーティブに,組織の経験や知見を生かしながら複数の戦略案(戦略代替案)を作る方法を考える。「ストラテジー・テーブル」「ディシジョン・ツリー」などのツールを使えば,戦略代替案づくりをシステマチックに進められるだろう。 宮本 明美 インテグラート 取締役 意思決定とは,『複数の選択肢の中から,最適な選択をすること』です。よって,その意思決定の対象となる「選択肢」(代替案)をより多く持つことは,より良い意思決定をする可能性を高めることにつながります。「複数の戦略代替案が検討されているかどうか」は,組織の意