「日本の海で泳いだのはいつだったか?」。夏が来るたび海水浴に出かけたのは遠い昔。小麦色の肌ははやらず、美白が好まれる時代。向かうのは、直射日光が照りつける海ではなく、日焼けの心配がない夜のプールだ。日本から海水浴は姿を消すのか。海の家など海洋建築が専門の日本大学理工学部の畔柳昭雄・特任教授が解説する。 最近は海水浴を敬遠する小学生が増えている。日焼けを嫌い、海水が体にべとつくのが嫌だという。昨夏には都心の便利な場所にあるホテルなどが「ナイトプール」と銘打ち、夕方から営業。若者はプールに向かった。海のない東京都立川市に砂を敷き詰め、バーベキューができる「タチヒビーチ」もオープンし話題になった。 一方、海水浴場の影は薄くなりつつある。 海水浴場の砂浜の減少が伝えられているが、新潟県長岡市の寺泊中央海水浴場の砂浜は、信濃川から流入する土砂堆積のために、年々幅が広がり、汀線(ていせん)付近にあった