インターネットメディア総合研究所 中島由弘 米国アマゾン社から、電子書籍リーダー“Kindle”(キンドル)が発売された。すでにベストセラー90,000タイトルが用意され、9.99ドルで販売されている。過去にも“電子書籍リーダー”と呼ばれるハードウェアはソニー、松下電器などの電機メーカー各社が発売してきたが、社会的にたいした話題にもならず、電子出版業界内のプロトタイプの役目を果たして消えてきた。しかし、今回のKindleは着目すべきいくつかの特徴がある。ここではそのビジネスの可能性をメディアの観点から考えてみよう。 ■ハードウェア 過去の電子書籍リーダーを見たことがある人にとって、Kindleはハードウェア的に斬新なものはない。ただし、ビジネスモデルとも関係するハードウェア的な特徴として、携帯電話のインフラ(米国のCDMA網)を使った通信機能を内蔵することに着目すべきだ。つまり、iPodの