1.油脂の構造 油脂は、グリセロールに3つの脂肪酸が結合したものをいう(図1)。常温で油は液体の脂肪を、脂は固体の脂肪を意味する。油脂は、別名、中性脂肪であり、トリアシルグリセロールもしくはトリグリセリドと呼ばれる。一般的に、脂肪というとこの油脂をさす。 このトリアシルグリセロールは、消化の過程で、1と3の位置の脂肪酸が取れたモノグリセリドと脂肪酸に加水分解され、腸から吸収される。体内では脂肪酸はβ酸化代謝によりさらにアセチルCoAに分解され、エネルギーとなる。 トリアシルグリセロールが脂肪としての性質を示すのは構成している脂肪酸によるもので、その融点は構成する脂肪酸の鎖長と飽和度が増すほど高くなる。 2.脂肪酸の分類法 脂肪酸は主に炭素数および不飽和結合の数によって分類される。また、不飽和脂肪酸の二重結合の幾何学的配置により幾何異性体のシス型、トランス型に分類される。 3.炭素数による分