金山自然公園は、市中心部の北方に盛り上がった独立峰・金山(二三六メートル)の南面全体に広がる。山頂には新田義貞をまつる新田神社がある。ハイキングコースが設けられ、自然を満喫しながら尾根を歩けば、赤城山や浅間山、遠方には富士山が見渡せ、東京の超高層ビル群も望める。 金山にはかつて金山城があった。石敷きの通路の左右に段状に築かれた石垣。通路の突き当たりにも石垣がそそり立つ。これが大手虎口。実城(みじょう)(本丸)や二ノ丸など城の中枢部を防御する拠点だ。西の尾根からここまで、堀切や竪堀(たてぼり)のほか曲輪(くるわ)や土塁石垣が連なる。 金山城は一四六九年、新田荘を治めていた岩松家純が築いた。一五二八年に重臣の横瀬氏(のち由良に改姓)が下克上で城主になる。由良氏領は上杉氏や北条氏、武田氏と強大勢力に包囲されていた。従属と離反を繰り返したため、各勢力が時を違えて攻め寄せた。だが、決して城域の蹂躙(