カードをサッとかざすだけでお金の支払いができる電子マネー。その決済額は今年、5兆円を超える勢いで伸びている。地方で利用者を伸ばす流通系は都市部の攻略をめざし、首都圏での利用が中心の交通系もシェア拡大に向けて動き出した。 小売り大手のイオンは今月、WAON(ワオン)での決済が初めて年間2兆円を超えたと発表した。電子マネーに参入して丸9年。店頭での勧誘に加え、電子マネーに交換できるポイント特典も使って利用者を増やし、店頭での決済の3割をワオンが占めるまでに育った。 日本銀行の集計では、昨年の主要な電子マネーの決済額は計4兆6443億円(乗車や乗車券購入は除く)と過去最高だった。クレジットカードの10分の1程度だが、1千円以下の決済に絞るとクレジットカードを上回る。毎年2~4割前後の伸びがあり、今年は5兆円を超えそうだ。 ICカードに現金をチャージ(入金)して使う電子マネーは、ソニー系のEdy(