小谷野さんが実名晒しを行ったからといってそれを実名論と結びつけるのは、実名晒しが匿名至上主義者たちによりなされてきたことを無視した議論ではないでしょうか。 ネット上で特定のハンドル使用者の実名を正当な理由なしに公開することが不法行為にあたるかについては議論のあるところです(神戸地判判時1700号99頁は、特定のハンドル使用者の職業、診療所の住所・電話番号をネット上で公開した点をプライバシー権侵害としている者の、その実名を明らかにした点は、この事件の原告が以前ネット上で自分の実名や妹の実名を使っていたこともあって、プライバシー権による保護の対象から外しています。)。 ただ、いわゆる「実名晒し」が従前匿名者によって担われてきた(「しがない記者」事件の時も 「きんもー☆」事件の時も、彼らの実名を晒したのは匿名者であり、匿名擁護論は、他人の実名その他のプライバシー情報をネットに晒す行為の匿名性を