[桐山登士樹の推薦文] 富田さんとは1月末パリのメゾンの会場でお会いした。デザインはモローゾ等サローネで何度も見ていたので初対面の気がしなかった。同時に富田さんの人柄が大陸的、ストレートなトークであっても嫌味がない。とても気持ちの良い方だ。さて、肝心のデザインは大らかなフォルム、ユニークな表情、生き物みたいな感覚、富田さんの気持ちを反映した分子がデザインワールドを形成している。最近感心するのは、イタリアの中小企業から日本の中小企業まで、これからデザインによって成長していくであろう企業に対して意欲的に協力している点である。その背景には、14年ミラノに住み著しい環境変化を生き抜いている強さがどこかにあるのではないかと想像する。私たちが魅せられたイタリアデザインを作った巨匠がだんだん少なくなり、ユーロによってかつての特色が薄くなっているミラノ。行動派の富田さんだけに新たなデザインの現場を求めても