どうして僕は「東横イン」が好きなのだろうか。 このことは、この数年間ずっと考えているのだけれど、答えが出ない。 生まれて初めて泊まった東横インがどこだったのか、今となっては全く思い出すことができない。おそらく2000年くらいに、どこかの地方都市で泊まったのが最初だったと思う。その時は、数あるビジネスホテルチェーンのうちのひとつとしか捉えていなかった。 けれどもいつの頃からか、僕の中で東横インはただのビジネスホテルではなく、特別なものになっていった。 初めのうちは、安さと便利さ、そして安定した快適さが気に入っていたのだが、そのうち、東横イン独特の「東横イン臭さ」が好きになっていった。 この「東横イン臭さ」というのは、実際の匂いのことではなく(もちろん匂いも好きなのはいうまでもないが)、「東横インオーラ」というべきかあるいは「東横インスピリット」というべきか、あのホテルにはあそこにしかないカル