ちょっと前に触れたものの(こちら)、前置きが長すぎて本題に入れなかった、ニーチェの『この人を見よ』。 まず見るべきは、目次なんです。この目次を見るだけでも、この本の素晴らしさ、オモシロさ、奇天烈さ、狂おしさがご理解いただけるかと思うのです。 以下、目次です。 (以下の引用はすべて、新潮文庫『この人を見よ』西尾幹二訳からの転記です) 序言 なぜ私はかくも賢明なのか なぜ私はかくも怜悧なのか なぜ私はかくも良い本を書くのか なぜ私は一個の運命であるのか ここで言う「私」とは、もちろん、著者であるニーチェ自身のこと。……ね? そこはかとなくサスペンスフルでデンジャラスなドラマが起こりそうな予感……がしますよね?(どんなドラマかは問わないでおくとして) だとしたら、本書のタイトル『この人を見よ』の「この人」も、もちろん著者ニーチェ自身のことだって、わかるというものですよね。タイトルが既に「オレを見