【ロンドン=橋本聡】ノーベル医学生理学賞の受賞者を、発表当日の4日付朝刊で的中させたスウェーデンの新聞「スベンスカ・ダグブラデット」の記者が、5日付の同紙で内幕を語った。取材歴40年のベテラン女性記者インゲル・アッテルスタムさん(65)で、「予想ゲームではなく、私には確かな情報源があった」として「特ダネ」であることを明らかにした。 アッテルスタムさんは医学報道に長く携わってきた。記事は世界中から注目を集めたが、「最後の瞬間に決定が覆される可能性があった」ため、受賞者の公表前には神経質になったという。 一方、報道に危機感を抱いたノーベル財団は4日、6人の役員が緊急会議を開いた。財団のハンソン事務長は「落ち着いて選考できるよう秘密が守られることが重要。私たちは今回の報道への対応を検討しなければならない」と語っている。