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読みたい本に関するmitihydrangeaのブックマーク (4)

  • あら、こんなところに数学が「続 5分でたのしむ数学50話」

    「5分でたのしむ数学50話」の続編。 前作のレビューは、[わかる瞬間が楽しい「5分でたのしむ数学50話」]にある。より敷居がさがり、さらに身近な「数学」を紹介している。「こんなところに数学が!」と驚かされることばかり。 たとえばエッシャーの「だまし絵」。精密に描かれた鳥や魚と、背景となる地の部分が規則正しくパターンを成しているのだが、鳥や魚がだんだん背景にとけこみ、地の部分だったところに魚や鳥が見えてくる。 これが自作できるというんだ。CCCタイプとTTTTタイプの二通りのやり方を紹介しており、いわれるがままに描いてみる――と!なんとちゃんと「エッシャー風」に描ける、おもしろい(絵心がないので公開しない)。 エッシャーは数学者コクセターを介して非ユークリッド幾何学を知ったのだそうな。これにより、有限な平面の中で無限性をモデル化できる。自分がつくったモチーフがくりかえされ、画面からはみ出

    あら、こんなところに数学が「続 5分でたのしむ数学50話」
  • 恋愛小説の完成形「肉体の悪魔」

    天才が書いた小説、としかいいようのない。 文章は極限まで洗練され、エピソードは恐ろしいほどたくみに構成されている。自意識の動きを冷徹に微分し、あらわにする。情愛を知り尽くした箴言を吐くいっぽうで、自らの運命をさりげなく練りこむ。 うまい、としかいいようがない。 これを18で書いたのだから、天才というほかない。同じく超早熟のサガン「悲しみよこんにちは」にも驚いたが、フランス文学って、すごいもんだ。幅をひろげるつもりで手を出した新訳に、足をとられてしまっている。 百の誉め言葉よりも一の引用。めろめろになったのが次の文。狂おしいほど血が騒ぐ。 彼女の両手が僕の首に絡みついていた。遭難者の手だってこれほど激しく絡みつくことはないだろう。彼女は僕に救助してもらいたいのか、それとも一緒に溺れてほしいのか、僕には分からなかった 第一次大戦下のフランス、15歳の「僕」と、19歳の人。夫が戦地にいるあいだ

    恋愛小説の完成形「肉体の悪魔」
  • 事実はSFよりも奇なり「操作される脳」

    「メタルギア・ソリッド」が、"近未来"でなくなっている件について。 がんばりすぎのスネークは別として、軍関係者の悩みのタネは、「ためらう兵士」だそうな。「発砲をためらう兵士たち(Men Against Fire,1947)」によると、実戦で発砲するのは15~20%にすぎないという。発砲率なら訓練で向上できるが、兵士といえど人だ、ストレスや疲労はエラーを招き、戦場でのエラーは死を招く。 死なない兵士はムリとしても、せめて、死ににくい兵士はできないだろうか?この発想をもとに、生物学的なパターンを改変して戦闘用にする研究がなされている。恐怖や痛みを感じずに突撃し、見聞きしたすべての情報を丸ごと記憶している。傷を受ければ即座に自己治癒し、睡眠べ物なしでも活動可能な兵士をつくりあげる。 リアルタイムに指示を伝えるヘッドセットはゲームより楽だ。なぜなら、どちらへ向かって進むかは自分で判断しなくても

    事実はSFよりも奇なり「操作される脳」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「冷血」は新訳がスゴい

    11月の深夜、一家4人が殺された。父親と母親と息子と娘はロープで縛られ、至近距離から散弾銃で撃たれており、射殺というよりも顔や頭を破壊されていた。 50年前のこの事件の犯人は、二人の若者。もちろん「若さゆえの凶行」なんてレッテルを貼ることもなく、それどころか、著者は感情や評価するような表現は極力使わず、徹底的に事実を積み重ねている。 カポーティの「冷血」、大昔に読んだはずだが、残っていない。文字通り読んだというより「見た」だな。ともすると冗長すぎて途を見失う恐れがあるが、新訳で息を吹き返している。これは読みやすい。これはスゴ。 犯行状況を時系列の外に置き、調書を取る対話で生々しく表現したり、「なぜ若者が犯行に及んだか」はズバリ書かず、手記や調書から浮かび上がるようにしている。「書き手である自分」を、地の文から取り除くことに成功している。カポーティはノンフィクション・ノヴェルと呼んでいるが

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 「冷血」は新訳がスゴい
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