今読んでいる「シンボル形式の哲学(カッシーラー)」によれば、あらゆる認識の基礎に、直感による「表情機能」がある(つい最近になって第三巻の「表情機能と表情世界」の章を読んだばかりだった)。表情のなかでも人の顔の表情はやはり、特別な研究対象なのだろう。以前にも取り上げたカナダにおける日本人、東洋人とヨーロッパ人の比較に関わる心理学の研究も興味深いものだったが、最近ニューヨークタイムズで紹介された次のニュースも興味深いし、技術的な実用上の面でも興味深いものである。 Radiologist Adds a Human Touch: Photos これによれば、患者に直接会う機会が少なく画像診断を専門とする放射線科の医師が、診断を依頼される画像ファイルに患者の顔写真をつけてもらうことを思いつき、所属するエルサレムの医療機関で実験的に希望する患者の写真を付けて比較試験が実施された。その結果、写真が付けら