『電気代500円。贅沢な毎日』(アズマカナコ著、阪急コミュニケーションズ)は、ふだんここで取り上げているタイプの書籍とは趣が異なるかもしれません。なにしろ「一家4人で1カ月の電気代が500円」というシンプルな生活を実践する主婦がその考え方をつづったエッセイであり、当然のことながら、ビジネスパーソンの処世術と結びつくものではないから。 しかしここには、職種に限らずすべての人に共通する本質的な部分が反映されているようにも思えます。その証拠に「節約主婦」と言われている著者はまったく辛そうに見えず、それどころか、そんなライフスタイルを楽しんでいる。だから、心に訴えかけてくるわけです。 なぜ私がこういう生活をしているか。 それはただ、この生活が「好きだから」です。 1章「電気代500円の贅沢な毎日」を見てみましょう。 冷蔵庫も洗濯機も掃除機もありません。 当たり前に「ある」ものをなくしてみること