これも今の国際交渉の現実、ルール、日本が締結した条約や協定の現状等への知識不足からくる懸念だ。 結論からいえば、TPPに限らず、およそ二国間交渉であれ、多国間交渉であれ、自国の国益に合わないと判断した場合は、いつでも離脱できる。ルール上も実際上も、だ。 ルール上は、交渉参加→交渉合意・署名(政府)→批准(国会)という流れの中で、どのステージでも離脱可能だ。批准後も、国益に照らし不都合が生じた時は修正を求めることもでき、受け入れられなければ「脱退」(通知のみで可能)の道もある。TPPの前身、提唱国P4の協定でも、この手続きが明記されている。 最近では、2007年に交渉がスタートしたEU・ASEANのFTAは、二年後の2009年に決裂した。その後、EUはASEAN各国との個別交渉に切り替えた。EU・GCC(湾岸協力会議)のFTAは、1990年にスタートして以来、今でも合意ができず交渉が継続中だ