築地市場(東京都中央区)の移転によって、ネズミの大移動が始まるかもしれない。場内に生息するネズミの新たなすみかとして懸念されるのが、目と鼻の先にある銀座かいわいの繁華街だ。移転を前に、都や地元の中央区は「掃討作戦」に打って出る。 【写真】ドブネズミ=写真家の浜昇氏撮影 通路脇には発泡スチロールが山積みされ、生魚のにおいがただよう。7月中旬、記者が築地市場を歩き始めて10分ほど。午後4時ごろの場内を、ドブネズミとみられる黒い影が猛スピードで駆け抜けた。すぐに段ボール裏に入りこみ、その姿は見えなくなった。 市場を管理する都によると、ネズミは閑散時の午後を中心に姿を見せるという。魚の切り残しなどが散らばる場内はえさが豊富で、地下を複雑に走る排水溝は格好の隠れ場所にもなる。さらに開放型施設なので、どこからでも侵入できる。 実際に、どれだけの数がいるのか。生息数は把握できていない。ただ、201