毎年、この時期になると村上春樹がノーベル賞を取るんじゃないか、と話題になる。 で、なぜかハルキストや母校の関係者は本気で受賞を信じて、そのたびにガッカリするわけだが、彼らはノーベル賞の特性をまったくわかっていないと言っていいだろう。 断言するが、村上春樹がノーベル文学賞は絶望的だ。 なぜなら、ノーベル財団が村上春樹に受賞させる理由が、まったくないからだ。 理系の部門と違い、平和賞と文学賞は受賞理由に政治性を重視しているからだ。 平和賞や文学賞は、功労者や優れた結果を残した人に与えられるわけではなく、ノーベル財団から世界へのメッセージ、意思表明に近い。 今回のボブ・ディランに関しては、ドナルド・トランプに代表されるような排他的なナショナリズムに傾きがちな人々に対して、「あの頃の公民権運動や戦争反対に燃えた、反骨の気風はどこに行ったんだ?」というメッセージに近い。ボブ・ディランが良い歌を作った