誰にとって大切な作品を作れるか。誰にとって大切な人になるか。主演を務めた映画『勝手にふるえてろ』や、広瀬すず演じる主人公・綾瀬千早のライバル、若宮詩暢を演じたシリーズ第3作『ちはやふる -結び-』の大ヒットを経て、是枝裕和の映画『万引き家族』に出演した松岡茉優はそうした意識を強く持つ女優だ。 昨年の『東京国際映画祭』で、『勝手にふるえてろ』がコンペ部門に選出され、見事「観客賞」を受賞。さらには、昨年新設された「宝石の原石のような輝きを放つ若手俳優」に贈られる「東京ジェムストーン賞」を受賞するなど、大きな存在感を示した彼女が、10月25日から開催される『第31回東京国際映画祭』のアンバサダーに就任した。初の主演作や『カンヌ国際映画祭』への参加など、この1年のあいだに、さらなる躍進を遂げた彼女は、それぞれの現場でなにを見て、どんなことを感じたのだろうか。松岡茉優に、この1年を振り返ってもらった