「あ、ザ・朝ドラって感じだな」 まずは、そう感じながら見始めた新・朝ドラ『カムカムエヴリバディ』。まっすぐで健気なヒロインと、戦時下での純愛を軸とした展開は、朝ドラとしては、かなり既視感の強いものである。 それでも既視感を安心感・満足感が上回る理由として、まずはヒロイン・上白石萌音の存在がある。朝ドラの主役として、抜け落ちているポイントのまったくない「ザ・朝ドラヒロイン」。国語算数理科社会オール5の優等生という感じ。 2つのTBSドラマ『恋はつづくよどこまでも』(2020年)、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021年)で見せた純真無垢なキャラクターそのままに、与えられた世界観を見事に演じきる姿は、「なぜ、これまで朝ドラヒロインに選ばれなかったのだろう?」と思わせるものだ。 また、ヒロインとの純愛の相手役(現段階では)の松村北斗が、見事な掘り出し物だ。ジャニーズ発のユニット「SixTON