要件を記述する際は,自然言語の文章だけで表現するのではなく,モデリング手法を活用するとよい。それにより,「要件の網羅性を確認しやすくなる」「記述のあいまいさを抑えられる」「要件の論理性,整合性を維持できる」「ビジュアルで視覚的に理解しやすくなる」という効果が期待できる(図4)。 ただし,形式化されたダイアグラムの情報だけでは詳細な要件を表現し切れないこともある。ダイアグラムと文章を併用し,相互に補完し合うようにするのが現実解だといえよう。適用に際しては,文章に慣れているユーザーや,初めてそのモデルに接するメンバーに対する配慮が求められる。戸惑うことなくモデルを取り入れられるよう,理解を助ける説明資料を準備し,説明会を開催するとよい。 ビジネス要件定義に使えるダイアグラム 現在,システム構築で使用されるモデルは,いわゆるUML(Unified Modeling Language)で表現された