「マンガの神様」といわれる巨匠、手塚治虫(1928-1989)の『ブッダ』は、単行本の発行部数は2000万部を超え、『手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-』というアニメ映画にもなっている、手塚治虫の代表作の一つです。 『ブッダ』には、仏教を開いたお釈迦様を描いた漫画ですが、お経には説かれていない登場人物やエピソードがたくさん登場し、手塚治虫の創造力の豊かさが発揮されています。 そのため、仏教に親しむのには非常にすばらしい漫画ですが、お経に説かれている通りだと思うと誤解を生じます。 どんなところがお経と違うのかをよく知っておくと、『ブッダ』はより一層楽しめるようになります。 ブッダが描かれた経緯 手塚治虫は、1928(昭和3)年に生まれ、大阪帝国大学附属医学専門部(現在の阪大医学部)を卒業しています。 後に医学博士もとっているインテリです。 その医学部在学中の17歳の時に漫画家デビューし