「円高が日本企業にダメージを与えている」など、円高に対して悲観的な報道が続いているが、本当に円高はデメリットばかりなのだろうか。 たしかに円高は急速に進んでいる。東京外為市場のドル・円は2年前の2007年1月は120円超、1年前の08年1月でも110円程度だったが、米国経済の悪化とともに急速に円高が進み、08年3月には1ドル=100円を突破。日米の金融当局はドル全面安への懸念を強めたが、その後世界金融不安が本格化し、12月17日には一時95年7月以来の円高ドル安水準となる1ドル=87円13銭をつけた。28日現在では、1ドル=89円付近で推移している。 たとえば輸出企業であるトヨタの場合、1円の円高ドル安が進むことで年間の営業利益が350億円減少するともいわれており、海外進出を行っている国内の大手企業にとってドル・円の推移は死活問題となっている。円高にはこうした輸出企業へのデメリットばか