かき氷を巡る旅をするようになって、今まで縁のなかった町に何度も足を運ぶ事が増えた。仕事先も親戚もいない初めて訪れた町のアーケードをあちらこちらと歩き回ったり、地元で人気の定食屋を見つけたり、その町の方言を懐かしいと感じたりするなんて思ってもみなかった。今では旅に出るとなると、あのかき氷が食べられる、あの店主さんにまた会えるという事が楽しみで仕方ない。 岡山と言えば「フルーツ王国」と称されるように、桃や葡萄を代表とする多くの果物を生産している事で知られている。ただ単純に生産量が多いという訳ではなく、白桃やマスカットなど、岡山産と言えば「贈答用の高級果物」というイメージと結びつくほど品質が良いのだ。それは岡山県が温暖な瀬戸内気候に位置しているという理由だけではなく、真面目で勤勉な県民性の生産者が、繰り返し品質改良を重ねて作り上げた結果が美味しい果物を生んだのだ、といわれている。 まず紹介したい