授業や会議においてコラボレーションがいつもうまくいくとは限らず、むしろブレインストーミングは集団だとうまくいかないケースが多いことなどが様々な研究から指摘されています。その原因のうちのひとつが「社会的手抜き(Latane et.al. 1979)」と呼ばれる現象で、要するに「自分がやらなくても他の人が頑張るだろうから、自分は黙っていよう」と考える人が出てくるわけです。 協調学習やプロジェクト型の授業でも同様の問題は起きており、グループワークにほとんど貢献していないのにただいるだけで単位を取っていくメンバーに不満や怒りを感じたことがある人も多いのではないでしょうか(笑)。このような「ただ乗り」を防ぐために、グループワークの前に個別のアイデアを紙に書き出させる個人ワークを挟んだり、ファシリテーターが沈黙者に話を振って意見を促すなど、学習者全員の貢献を引き出すための様々な工夫が研究されています