【記者:Biagio Simonetta, Nick Squires】 イタリア北部ロンバルディア州ネンブロの中心部に、おもちゃ屋がある。シャッターは閉まっている。このシャッターが開くことはもうない。おもちゃ屋を経営していた年配のピエラさんが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかり、死亡したのだ。隣で息子たちと共に金物屋を営んでいたピエラさんの兄弟も、コロナで亡くなった。 これは、この小さな町を襲った多数の悲劇の一つに過ぎない。 イタリアをはじめ、欧州の多くの国で経済活動が再開する中、ネンブロのような町はニューノーマル(新常態)を見出すのに苦労している。傷痕があまりに生々しいからだ。 理容室を営むマニュエルさんは「月に1度通ってくれていた常連の少なくとも10人が亡くなった」と言う。「彼らに二度と会えないというのが本当に信じられない」 ネンブロはイタリアが新型コロナウイルス流行の