屋内にいても汗をかく夏は、尿路結石の発症が増える。脱水で尿が濃くなり、結石ができやすいからだ。典型症状は、七転八倒するほどの強烈な腹痛に襲われる疝痛(せんつう)発作。一度、経験すると再発率が高いので注意しよう。 【腎臓が尿ではれる】 尿路(腎臓、尿管、ぼうこう、尿道)で結石のある場所で呼び名が違うが、日本人の95%以上は腎臓か尿管で見つかる上部尿管結石。腎臓結石は無症状で、痛みが出るのは尿管結石だ。昭和大学藤が丘病院(横浜市)泌尿器科の佐々木春明教授が説明する。 「腎臓にできた結石が尿管に落ちて、尿管をふさぐと尿の行き場がなくなります。すると腎盂(じんう)内圧が急上昇して、腎臓を支配する神経(胸椎10番)が走っている背中から脇腹、下腹部にかけて激痛が現れるのです」 尿管は腹膜の裏についているので、腹膜が刺激されると吐き気や嘔吐(おうと)を伴う場合もあるという。 【大きさで治療別れる】 治療