海遊館(大阪市港区)でコバンザメ2匹が、「独り立ち」している。大きな生き物にくっついて暮らすはずなのに、先輩コバンザメがジンベエザメに嫌われて別居。2匹もこれにならって別の水槽で飼われ、宿主なしでゆうゆう暮らす。「自然界では見られぬ姿」と専門家を驚かせている。 ニュージーランドの海をイメージした高さ約6メートル、幅約7メートルの「クック海峡水槽」。アカウミガメや小魚にまじり、左右に体をくねらせて、70センチほどのコバンザメ2匹が単独で泳ぐ。2匹は高知沖の定置網でジンベエザメと一緒に捕獲され、それぞれ2009年と15年にやってきた。 7年ほど前。いまの2匹の先輩にあたるコバンザメたちは、ジンベエザメと同じ水槽にいた。ところが、次第にジンベエザメが体をくねらせたり、スピードを上げて振り払おうとしたり、つきまとうコバンザメを嫌がるようになった。 コバンザメにとって、くっつき先の意向は、死活問題だ