2014年10月に「シダトレンRスギ花粉舌下液」という、スギ花粉症のアレルゲン免疫療法に用いる新薬が鳥居薬品株式会社から発売され、業界の内外で話題になっている。自分の備忘録の意味も含めて、ざっくりと関連事項をまとめておく。 ■アレルゲン免疫療法とは アレルゲン免疫療法とは以前から減感作療法、脱感作療法と呼ばれていた治療法で、アレルギー疾患の患者にとってその原因になる物質(アレルゲン)を低容量からの投与で慣らしながら継続、徐々に濃度や容量を高くしていくことで免疫寛容を誘導して、アレルギー(過剰な反応)を軽減させる治療法である。 また従来、花粉症を含むアレルギー性鼻炎の治療に用いられてきた抗ヒスタミン剤やステロイド薬など、症状を緩和する対症療法に対して、現在医療機関で行える花粉症に対する唯一の根治療法であることが特長だ。 アレルゲン免疫療法には、注射による皮下免疫療法(Subcutan