「町内会には寄付という名の強制金がある。断る勇気がない人もいる」。昨年9月下旬、朝日新聞のフォーラム面で「自治会・町内会」の特集を始めてすぐ、松山市の女性(50)からこんなメールが寄せられた。 一家は転勤族で7年前に引っ越してきた。この地域は、代々この地に暮らす旧住民と、一家のような新住民が入り交じっている。 入会時に町内会から6万円を求められ、驚いた。地区の組長に聞くと、集会所の負担金と言われた。以前住んでいた愛知県春日井市では、自治会の入会金は2千円だった。 ほかにも町内会から支払いを求められることが多かった。例えば、地区の社会福祉協議会(社協)の会費年300円、公民館の地元負担金年800円――。年2回ある地域の水路掃除に不参加の場合は1回2500円の「出不足金」が課されることもあった。 いずれも組長が家に徴収にやってきた。払わなくてもいいのかどうか。はっきり分からず、断りづらかった。