みなさんは「精神科」と聞くと、どのようなイメージが浮かぶだろうか。 ドラマや映画で描かれがちな、白い壁に囲まれた真っ白な閉鎖病棟や白衣を着た無表情な医師たち。あるいは『精神科医・伊良部シリーズ』をドラマ化した『Dr.伊良部一郎』のような、一風変わったドクターだろうか。いずれにしても、「うつ」やメンタルヘルスという言葉が以前よりちょっぴり身近に響くようになったものの、多くの人にとって精神科の診療現場は、いまだ未知の領域であるのが現状かもしれない。 そんな中、『行ってもイイ精神科、ダメな精神科』(ひろ新子/バジリコ)なる、前代未聞の精神科診療所ルポが出版された。 「まえがき」によると、現在60代女性である著者は、ある日突然老人性の「うつ」状態に陥った。ふと「日本中のうつの患者たちは、いったいどのように精神科を受診しているのか。先生との相性はいいのか。3分間診療ではないのだろうか。薬の処方はどう